すみだ観光BOOK
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67料理屋を中心に栄えていた向島に芸妓が登場したのは明治に入ってから。昔から多くの文人墨客に愛され、浮世絵や小説、芝居の舞台として登場する花街です。隅田公園住 墨田区向島1,2,5鳴戸部屋住 墨田区向島1-22-16向嶋墨堤組合住 墨田区向島2-9-9 ☎︎03-3623-6368墨堤の桜田川花火大会の会場になります。 水戸徳川邸内の池などの遺構を活用して作られた庭園を横目に進むと、鳥居が見えてきました。貞観2(860)年に、慈覚大師が建立したと伝わる神社です。境内に「撫で牛」を発見。自分の悪い部分と同じ部分を撫でると病が治るという信仰があり、肉体だけでなく心も治るという心身回癒の言い伝えがあります。ご利益があるように、一生懸命に牛を撫でました。今に引き継がれる 次は、見番通りを散策してみました。「見番」とは、「置屋」と「料亭」の間に立ち、芸妓さんの派遣を斡旋する組合事務所のこと。向島は明治時代から花街として栄えたまちです。見番通り 向嶋花街は、女性の髪結いの呼びかけにより芸妓衆が集まり、見番ができたことで始まりました。 明治時代に最盛期を迎え、芸妓屋408件、料亭・料理屋215軒、芸妓1300人という日本最大規模の花街でした。 現在、80名前後の芸妓が在籍し舞踊、邦楽などの伝統芸能などで料亭のお座敷を華やかに演出してくれます。場は、貸切船の発着場になっています。友達や家族とゆっくり舟遊びも粋ですね。 小梅橋船着場の近くのハンバーガー店「shake tree DINER」でランチにします。店内はかわいい照明で彩られ、アメリカンな雰囲気です。「おすすめは、女性に人気のアボカドチーズのハンバーガーです。ストロベリーのスムージーなら、写真映えも間違いなしですよ」と素敵な笑顔のスタッフ・木村さん。しばらく待っていると、肉厚なパティとたっぷりのアボカドとチーズが挟まったバーガーが登場。フォー隅田公園の芝生広場は、東京スカイツリーと一緒に写真撮影ができるベストスポット。澄んだ空が◎!クとナイフを使って食べるのはもちろん、袋に入れてガブリとかぶりつけば、口いっぱいにパティの旨味とソースの味が広がります。 隅田公園に向かう途中に、「鳴戸部屋」と書かれた大きな看板が。15代目鳴戸を襲名した元大関の琴欧洲関が、2017年に設立した相撲部屋です。15人の力士が日々稽古に励んでいます。 隅田川沿いの、約8万㎡の広さを誇る隅田公園は、春は桜の名所、夏は隅墨堤の桜は8代将軍徳川吉宗により植栽されて以来、隅田川沿いの桜の名所として親しまれてきました。歴史案内板や散策解説板などが設置してあるので、楽しみながら桜並木を歩けます。牛嶋神社住 墨田区向島1-4-5 ☎︎03-3622-0973牛の像は1825年ごろ奉納されたと伝えられています2017年に、佐渡ヶ嶽部屋から分家独立し設立された鳴戸部屋。人気を博した元大関の琴欧洲関が親方を務めます。沿いや周辺には、いくつもの料亭が店を構えています。通り沿いの向嶋墨堤組合が、今も花街を支えています。 見番通りと桜橋通りがぶつかった道を右に曲がると、芸妓さんやお相撲さんなどの御誂え足袋店「向島めうがや」の看板が見えました。暖簾をくぐってみると、店内では白い生地を大きな刃物で裁断しているところでした。「足袋を作るために、パーツを作っているところです」と教えてくれたのは、5代目店主の石井芳和さん。完全フルオーダーの足袋の製作には、足の採寸から始まり、20以上の工程があるそう。一足ずつ伝統的な技法で仕上げていき “見番”こと向嶋墨堤組合は、芸妓さんのお仕事の手配などを行うほか、稽古場も兼ねています。見番通りを散策すると、小太鼓や鼓、三味線などの音が聞こえてくることも。芸妓衆は、日々稽古などを通して精進しています。 料亭では、風情を感じながら、芸妓のおもてなしやお座敷遊びを体験できます。料亭に向かう芸妓さんに出会えるかもおもてなしの心を、稽古などを通して、日々精進していますます。店舗では足袋も購入可能です。 向かいの通りには、江戸木目込人形の塚田工房が。7代目の塚田真弘さんが教える人形教室が開かれていました。生徒さんのなかには、月2回静岡から通ってくる方もいるそう。木目込歴史を感じるスポットをめぐるPICK UP相撲部屋もあります!粋な花街の顔文人墨客に愛された向島今昔

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