すみだ観光BOOK
6/14

江戸有数の繁華街でした北斎が活躍した頃の両国は2311011世界に誇る浮世絵師・葛飾北斎が生まれ、暮らした両国には、今も江戸の面影がいっぱい。まちを闊歩するお相撲さんと出会えることも。歴史を感じながらまち歩きを楽しみましょう。案内板の場所等詳しくはこちら粋を感じるそぞろ歩き葛飾北斎ゆかりの案内板北斎が画題とした場所や北斎ゆかりの地に案内板を設置しています。現在と江戸時代の両国を見比べながら散策できます。 北斎作品「新板浮絵両国橋夕涼花火見物之図」(1781~89年頃 すみだ北斎美術館蔵)(2)には、川開きの花火見物人や屋根舟、川岸に仮設の水茶屋、食べ物店等が描かれて、当時の活気が伝わってきます。両国橋は下総の国と武蔵の国を結ぶ大動脈であったことから、両国は江戸有数の繁華街になり、歌舞伎などの見世物小屋や各種の店が連なっていました。 今も江戸情緒を残す両国、その町を北斎が浮世絵に残しています。本作品に描かれている両国橋の近くには、竪川に架かる一之橋があり、かつて赤穂浪士は、吉良邸討ち入り後、この橋を渡ったといわれています。北斎作「忠臣蔵討入」には、赤穂浪士が吉良邸に討ち入った様子が描かれています。現在、吉良邸があった場所には、なまこ壁に囲まれた本所松坂町公園があり、当時を偲ばせています。このほかにも、北斎が居を構えたといわれる場所の近くには、当時からある“榛木稲荷神社”などがあります。そして、散策の後は、是非、当美術館にお越しいただき、北斎とこの地の関わりなどを調べてみてはいかがでしょうか。1 葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」2 葛飾北斎「新板浮絵両国橋夕涼花火見物之図」3 葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」いずれも、すみだ北斎美術館蔵すみだ北斎美術館 館長橋本光明さん江戸が香るまちを歩こう!両国Ryogoku

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る