梅暦2023
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東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそうつくしや 紅の色なる梅の花 吾子が顔にもつけたくぞある 「 「梅梅屋屋敷敷」を」を復復活活!!◉「天神様」縁の社 ◉文化人のサロン◉江戸庶民の行楽地◉小村井梅園が  モデル◉梅は目線で  楽しむ ◉戦禍から復興 ◉東京の名所に梅は間近で観賞するもの。香りもいっしょに楽しむためで、人間の目線、つまり〝目通り〟が一番いい江戸時代、亀戸の「梅屋敷」に対して「新梅屋敷」と呼ばれた百花園学問の神様明治通り亀戸明治通り井香梅園蔵前橋通り明治通り 「東こ風ち吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」 「うつくしや 紅の色なる梅の花 吾あ子こが顔にもつけたくぞある」ょう く 小村N い      N      太宰府天満宮の神官だった菅原信祐(菅原道真公の末裔)が、「飛梅」の木で道真公の像を彫り、諸国行脚の末、寛中居堀通り日本橋で骨董商人として財を成した佐原鞠き塢うが武家屋敷であった3000坪ほどの土地を買い取り、かねてから親しくしていた文化人の大田南畝(=蜀文元(1661)年、本所亀戸村にあった小さな社にこの像を奉祀したのが始まり。翌年、天神様を崇敬する四代将軍・家綱が、現在の場所に土地を寄進、太宰府天満宮の社に倣って社殿、楼門、回廊、心字池、太鼓橋などを創建した。道真公は政争に敗れ、延喜元(901)年、筑紫の大宰府政所に流され、失意のうちに客死した。京を発つ時、書斎から庭の愛梅を眺め、別れを惜しんで詠んだ歌はあまりにも有名。江戸末期、香取神社の近くに「小村井梅屋敷」と呼ばれた梅園があった。安藤広重の「絵本江戸土産」にも取り上げられ、大勢の人が梅見を楽しむ様子が描かれている。広さは3300坪、園内には富士山に似せた築山や茶屋、池などが造られ、花の盛りには多くの人で賑わった。歴代将軍も訪れるほどで、将軍が愛でた「御成り梅」と称された木もあった。しかし、臥が龍り梅ばで知られた近くの「亀戸梅屋敷」と同様、明治43(1910)年の大洪水で、甚大な被害を蒙り、廃園となってしまった。香取神社の松原康行宮司山人、狂歌師)、亀田鵬斉(儒家)、谷文晁(絵師)、大窪詩仏(漢詩人)、加藤千蔭(国学者、書家)らから寄贈された梅樹360株をはじめ、様々な樹木を植え、文化元(1804)年に梅園として一般公開した。併せて園内の梅の実から梅干を作り、名物として販売、これも人気を呼び、梅園は広く知られるようになった。「梅は百花にさきがけて咲く」ことから、人気絵師、酒井抱一が百花園と命名したと伝えられている。この賑わいから、当時は、亀戸の「梅屋敷」に対して「新梅屋敷」と呼ばれた。さらに鞠塢は、園内に祀ってあった福禄寿に着目し、桜餅が門前の名物であった長命寺の弁財天などを取り込み、谷中に倣って「隅田川七福神巡り」を提案。こちらも大いに当たり、隅田川東郊は江戸庶民にとって格好の行楽地の一つになった。この時期は、ちょうど江戸町人文化が最も栄えた文化・文政期(1804〜30)にあたり、人々は花と親しみながら茶を喫し、隅田川焼き(楽焼きのその梅が主を慕って京都から大宰府に飛んで来て、根を下ろしたという「飛梅」の伝説が今なお残る。梅の花をこよなく愛し、5歳の時に詠んだ、に因んだかわいい童子の像が、境内中央の心字池の脇にある。昭和20(1945)年の東京大空襲により、亀戸天神社は、御神庫1棟を残しすべて焼失。その後、道真公を敬い、家紋も梅を使用している旧加賀藩前田家の子孫・前田利建氏が中心となって復興、梅も植樹し、現在、境内には約250本の梅がある。心字池に架かる太鼓橋の参道、池の周り、参道の左右に藤棚があり、これらに沿って梅の木が植えられている。また、本殿の左右に柵囲いがあり、向かって右に紅梅、左に白梅があり、囲いには、入試合格の願かけをした「絵馬」がびっしり掛かっている。梅は、50種以上あり、1本の木から紅と白が咲く「思いのまま」もある。は、かねてから、この「小村井梅園」を何とか復活させたいと願っていた。平成6(1994)年、念願叶い、氏子の協力を得て、境内に選りすぐりの85種、120本の花梅の木を植え、「香梅園」と名づけて開園した。香梅園の梅の木は高さが抑えられているのが特徴。「桜は見上げて観賞してもいいが、梅は間近で観賞するもの。香りもいっしょに楽しむためで、人間の目線、つまり〝目通り〟が一番いいのです」と松原宮司はいう。一歩進むと違う種類の梅があり、空を背景にその色彩や香りの変化を楽しむのが最高の梅見といえる。ただ、枝垂れ梅だけは高くてもいい。花が目線まで垂れてくるからだ。これを基本に、梅の種類、お互いのバランス、開花時期などを考えて造園してあり、人気を呼んでいる。また、木々には名札がつけられているので、同時に梅の知識も得ることができる。■を聞きつけた梅ファンが「香梅園には、どんな梅があるのか」と興味津津でやって来るが、珍種も含めて多さに驚き、感激するという。一種)を楽しんだ。この評判を聞き、時の11代将軍・家斉、12代将軍・家慶もこの庭園を訪れている。園内にはその後も名花名草が集められ、現在は春秋の七草、初夏の紫陽花、初秋は萩のトンネルと、折々の草花を楽しむことができる。自然のままの趣は「風流の極致」と、東京の名所になっている。9:00〜17 00発行:一般社団法人 墨田区観光協会 取材協力:香取神社、向島百花園、亀戸天神社 デザイン:クリエイティブ・サノ・ジャパン◆庭さんぽ 〜向島百花園の楽しみ方〜職員が向島百花園ならではの草花や庭園風景の楽しみ方をご紹介しながら、園内を散策して回ります。【日時】2/11(土祝)13:00(約60分)【定員】20名(当日先着順)※荒天中止◆野草ウォッチング講師の解説のもと、園内の野草を観察します。【日時】2/18(土)、2/25(土)各日11:40〜、14:40〜 (各回約60分)【講師】若林芳樹氏(植物研究家)【定員】各回30人(当日先着順)※雨天中止向島百花園WEBサイト墨田区文花2-5-8●交 通 東武亀戸線/「小村井」駅下車、 徒歩5分。 都バス/亀戸-日暮里(里22)「文花2丁目」 下車、徒歩5分。錦糸町-青戸車庫(錦37)上野 松坂屋前-平井駅(上23)「文花3丁目」下車、徒歩7分。●問合せ 香取神社TEL.03-3612-0878◆琴の演奏 ・2/18(土)、 2/19(日)  11:00〜◆抹茶・甘酒接待(有料) ・2/18(土)、2/19(日)  11:00〜江東区亀戸3-6-1●交 通 JR総武線・東武亀戸線/「亀戸」駅下車、徒歩10分。 JR総武線/「錦糸町」駅下車、徒歩15分。都バス/亀戸天神前下車すぐ●問合せ 亀戸天神TEL.03-3681-0010亀戸天神社WEBサイト◆すみだ親善大使の 写真撮影会  ・2/18(土)11:30〜◆短歌と俳句の寄稿  (入園時にお尋ね下さい。)10:00〜15:00向島百花園亀戸天神社      集集っったた名名園園  文文人人墨墨客客がが花花見見のの名名所所ととししてて江江戸戸時時代代のの道道真真がが愛愛ししたた  梅梅のの花花ががみみごごとと!!白白梅梅、、紅紅梅梅  約約225500本本梅まつり梅まつり2/18■〜3/5■梅まつり梅まつり2/4■〜3/5■梅まつり梅まつり2/11■〜3/5■9:00〜17:00(最終入園16:30)◆梅を詠むお客様に「梅」を題材にした俳句・和歌を俳句帳にお書きいただきます。【日時】期間中毎日 ※荒天中止◆江戸大道芸大黒舞い、放下芸(ほうかげい)等の大道芸を披露します。【日時】2/11(土祝)、2/19(日)11:40〜、 13:00〜、 15:00〜(各回約30分)【出演】浅草雑芸団 ※雨天中止 ◆すずめ踊り初代園主の佐原鞠塢出身の地、仙台が発祥で、墨田区ゆかりの浮世絵師、■飾北斎が描いた「北斎漫画」にも登場している「すずめ踊り」を披露します。【日時】2/12(日)、2/26(日) 各日13:00、15:00(各回約30分)【出演】福来雀 ※雨天中止百百花花園園向向島島香香梅梅園園天天神神社社亀亀戸戸

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