すみだ北斎美術館（墨田区亀沢2）では、特別展「北斎とめぐる美人画の系譜〜名手たちとの競演〜」を9月16日から11月24日まで開催します。

　本展は、宮川長春から勝川春章、葛飾北斎へと受け継がれた美人画の流れを紹介する企画です。重要文化財の宮川長春「風俗図巻」（東京国立博物館蔵）や、初公開となる春章「散策美人図」（個人蔵）、北斎「初夢美人図」（同館蔵）など、貴重な作品が一堂に会します。

　また、北斎の画風の変遷にも注目。宗理期の端正な女性像から、壮年期の肉感的で艶やかな表現に至るまでの変化をたどることができます。喜多川歌麿や渓斎英泉ら同時代の名手との競演も見どころで、歌麿「歌撰恋之部 物思恋」（個人蔵）、北斎「風流無くてななくせ ほおずき」（個人蔵）、開館展以来の全巻公開となる「隅田川両岸景色図巻」（同館蔵）、重要文化財「潮干狩図」（大阪市立美術館蔵）なども展示されます。

　さらに、弟子や娘に受け継がれた北斎の美人画にも焦点を当てます。長く所在不明だった葛飾応為「蝶々二美人図」（個人蔵）が公開されるほか、蹄北馬や魚屋北溪、天淵道人らの作品も紹介され、北斎的な美人画の継承と展開を感じることができます。

　展示は「北斎の源流」「美人画の名手へ」「浮世絵の爛熟とともに」「北斎の系譜に連なる者」の4章構成で展開されます。それぞれの時代背景とともに、美人画の移り変わりを立体的に楽しむことができます。

　開館時間は9時30分〜17時30分（入館は17時まで）。休館日は月曜日（祝日の場合は翌平日）。観覧料は一般1,200円、高校生・大学生800円、65歳以上900円、中学生以下は無料です。会期中は一部展示替えも行われます。